前回の記事ではShurikenを例にとって学習の手引きみたいなのを書いてみたんですが、2019年5月現在、ツールの過渡期だったりするので各エディタの立ち位置みたいなのを追加で説明してみたいと思います。
どのツールが一番高性能なの?
前回ミドルウェア含めてたくさんのエディタを紹介しましたが、これからエフェクト始める人からすると「1番いいやつを使ってエフェクト作りたい!」と考えるのが普通かと思います。単純に高性能というかいろんなことができるのはUnrealのNiagaraかなという気がしますが、いろんなことができるっていうのはそれだけ複雑さも増すので一長一短があるかもしれません。
@WataruVFXさんは現在書籍も執筆中ということで超期待!
「Niagara」「Cascade」「Visual Effect Graph」「Shuriken」「Bishamon」「SparkGear」「PopcornFX」一応一通りは触ってみたことがあるんですが、これが一番イイ!と言い切れるツールにはまだ出会っていません。あとミドルウェアに関していうと個人の雑感ですがどのツールも
「クセがすごい!」 です
(「Effekseer」だけ触ったことがないのでここには載せてません)
ノードベース式とモジュール式
各エディタはざっくりとこの2つの方式に大別できるかと思います。
ノードベース式
「Niagara」「Visual Effect Graph」 等がこれにあたります。
「PopcornFX」は以前はモジュール式でしたがV2で完全にノードベース式に移行したっぽいですね。
あとEffekseerも次期バージョンで一部ノードベース式に移行するみたいですね。
今回紹介してるツールの中だと唯一完全無料のツールになります。
ノード同士を接続して様々な処理を行うことができます。
従来のモジュール式では難しかった処理もノードの構成をカズタマイズすることで対応できたりします。 「Niagara」「Visual Effect Graph」 といった最近出来たエディタに多い方式です。
ただNiagaraはノードベースとモジュールのハイブリッドってかんじです。
モジュール式
「Cascade」「Shuriken」といったゲームエンジンに以前から搭載されているエディタやミドルウェアはこの方式が殆どです。
モジュールと呼ばれるエフェクトに必要な機能を保有した部品を組み合わせることで、エフェクトを完成させます。
(例えばパーティクルを地面に衝突させたければコリジョン(衝突)モジュールを使用します)
モジュールごとに機能が決まっているので覚えやすい反面、モジュール自体を変更したり、拡張することは難しいです。
ただ最近は、ミドルウェアに関してはノードベースの要素を取り入れてきているものもあります。
なぜミドルウェアを使うのか?
エンジンに搭載されているエディタでも大抵のものは作れますが、ミドルウェアを使用することでパフォーマンス的に有利になったり、大量のエフェクトを効率よく制作できたりします。また大抵のミドルウェアはUnreal EngineとUnity両方に対応しているので、ミドルウェアで一度エフェクトを作ってしまえば両方のエンジンでエフェクトを読み込んで使えるのも大きな魅力です。
今後のエフェクトツールの移り変わり
Apple ArcadeやGoogleの「Stadia」が相次いで発表されたりして賑わっていますが、Stadiaなんかはプラットフォームに依存しないので、もしかすると割と早い時期にShurikenからVisual Effect Graphへの移行もあるかもしれません。
とは言ってもお仕事に関しては、もう何年かは依然としてShurikenメインの状況が続くんではないかと思います。