ゲーム業界において常に人材不足と言われているゲームエフェクトデザイナーですが、「ゲームエフェクト 初心者」、「ゲームエフェクト はじめかた」等で検索してもそれらしいページがほとんどヒットしないので、これからゲームエフェクトを始めてみたい人向けにちょっと記事を書いてみることにしました。
どんなツールを使うの?
ゲームエフェクトに使われるツールですが結構いろんな種類があります。
大きく分けて2つあり、 ゲームエンジンに内蔵されている標準のツール と 外部ツール(ミドルウェア) になります。まず、標準のツールだと
Unreal Engine であれば「Cascade(カスケード)」か「Niagara(ナイアガラ)」
Unityであれば「Shuriken」か「Visual Effect Graph」になります。
外部ツール(ミドルウェア)であれば
「Bishamon」、「SparkGear」、「Effekseer」、「PopcornFX」
あたりが有名どころかと思います。
PopcornFX以外は全て国産のミドルウェアになります。
エフェクトデザイナー自体は不足してるけど国産ミドルウェアは選択肢豊富という不思議・・・。
モバイルだとUnityの「Shuriken」を使用した案件が多く、 コンシューマ案件 だとUnreal Engineの「Cascade」の比率が高くなる傾向にあるかと思います。「Bishamon」や「SparkGear」を使用した案件も増えています。
何を勉強すればいいの?
上で紹介したようにたくさんの選択肢がありますが、今回はUnityの「Shuriken」に的を絞って解説してみたいと思います。
(弊社に来るお仕事もShurikenが一番多いです)
Shurikenの使い方だけ覚えればゲームエフェクトが作れるかというと、まずそんなことはありません。ゲームエフェクトを作るには一般的に以下のような素材が必要になります。
- メッシュモデル
(Maya、3dsMax、Houdini、Blenderなどで作成) - テクスチャ
(Photoshop、AfterEffects、Substance Designerなどで作成) - シェーダー
(UnityであればShader Graph等で作成)
メッシュモデルとテクスチャに関してはUnityやUnreal Engineといったゲームエンジン内ではなく、外部ツールで作成したものをエンジンにインポートして使用するので、そちらの作り方も勉強する必要があります。
覚えること多すぎやん!と思われるかもしれませんが、シンプルなメッシュとテクスチャだけでも組み合わせ次第で十分カッコよく見せることが可能ですのでご安心を。
ちなみに「SparkGear」であれば、ある程度エディタ内部でモデル生成からシェーダーの適用までを一括して行えるみたいです。
いまのところ法人限定のツールなので詳細は謎ですが。
(ちょくちょく開発元の株式会社Spark様に出入りさせてもらっているので可能であればリポートしたい・・・。)
覚えることが多いですが、とりあえずはShurikenの使い方から覚えるのがよいかと思います。また、シェーダーの作り方を覚えるとエフェクトの見た目をぐっとあげられるのでShurikenと並行してShader Graphの勉強もやってみることをオススメします。
教材ってあるの?
ゲームエフェクトについて学べる素材はハッキリ言って少ないです。
教材については下記のページ「読み・書き・学ぶ」に非常に丁寧にまとまっていたのでこちらを参考にすると良いかと思います。
自分の作成した動画チュートリアルも紹介されてて嬉しい・・・!
順番的にもこちらの記事の順番で学習するのが良いかと思います。
特に「BISHAMON ゲームエフェクトデザイン入門」はBishamonの解説本なのですが書籍前半のかなりの部分を使ってエフェクト用テクスチャ作成の基本や加算やアルファブレンドといった合成に関する部分を書いてくれているので初めに読むとよいです。(かなり分厚いですが)
後半はBishamonの解説なので前半だけ読んで次に移っても良いかも・・・。
また弊社代表、秋山が執筆したShuriken書籍もあります。ちょうどこの記事の順番の最後に来るような中級者向けの書籍になります。
(書籍の内容に関しては別の記事「エフェクト本発売!」を参照してください)
Shader Graphに関してはだいふくさんのページで一から学ぶことができます。
丁寧で分かりやすいのでまずはここを見てみると良いかと思います。
また、だいふくさんがBOOTHで出しているHoudini本もオススメです。
エフェクトにおいてほぼ必須と言っていい斬撃やらせん状のメッシュの作り方について解説されてます。
またコンポジット・映像系のブログなのですが「コンポジゴク」さんの記事は大変参考になります。(一番古い記事から読んでみることをオススメします)
エフェクトのテクスチャ作成において知っておいた方が良い知識が結構あります。
※下記はエフェクト講座に参加されている生徒さんの制作物の一部です。